特に理由もないのに、ふと“別の街”が気になることがある。
大月市で暮らしながら、ぼんやり地名を眺めていたら、視線が止まった。
山梨県中央市。
何気なく調べてみたら、
2025年11月1日時点の人口は 30,425人。
さらに過去を見ると、
平成28年(2016年)は 30,925人。
ほんの少し減っている。
500人ほどの差。
多いのか少ないのか、なんとも言えない微妙な変化。
でも、「気になる街」というのは、こういう小さな数字から始まるのかもしれない。
些細な変化が、やけに人間臭く思えてくる。
まるで、じわじわ身長が縮んでいく親戚のおじさんを思い出すような、妙な親近感。
「中央市、どんな街だっけ?」
わずか500人の変化から、好奇心がムクムクと湧き上がってきた。
🗻🍑 山梨県の“真ん中”という役割
中央市は、名前からして堂々としている。
「中央」って、なんだか強い。
絶対ウソは言ってないぞ、みたいな顔つき。
でも実際、山梨県のほぼ真ん中にある。
甲府盆地の平坦な土地。
南アルプスに腕を回されて、北に富士山系の山の気配がかすかに届く。
川が流れ、農地がひらけ、住宅地が横にのびていく。
「観光地」というより、生活が主役の街。
畑の隙間に店があって、店の隣に住宅があって、住宅のそばに学校がある。
日常が、そのまま景色になる。
空気は、果物の香りと土の匂いが混ざった甘いような湿気を帯びている。
それを吸い込むだけで、のんびりしてしまう。
胸がふっと緩むような、親戚の家に泊まりに来たときの空気だ。
観光客に媚びていない街。
かといって寂れたわけでもない。
そういう“地元の深呼吸”みたいなリズムが、中央市にはある。
🍑👃 五感で感じてしまう中央市の空気
この街の風景を想像していると、まず“香り”が先に立ち上がる。
桃やブドウの果樹園。
甘酸っぱい香りが風に乗ってくる。
乾いた土に水を撒いたときの、ちょっとだけ鉄っぽい匂い。
その香りが鼻に届くと、自然と視界に色がつく気がする。
紫、黄緑、赤みがかった茶色。
季節によって色を変える絵具のパレットのようだ。
耳に届く音もゆっくりしている。
車の走る音より、土を踏む音が先に聞こえそうな町。
「キシ、サクッ、ザッ」
畑の道を歩けば、そんな音が靴底に貼りつく。
手のひらをかざすと、乾いた風が指の間を抜けていく感じがする。
夏は少し重たく、冬はじんと冷たい。
その風に季節が乗ってくる。
目で、鼻で、耳で、肌で、味わえる街。
まるで果物みたいに、五感でかじる街。
📉🍷 人口が減る=魅力が薄れる、とは限らない
中央市の人口は、
30,925人 → 30,425人
たった500人の差だが、数字には確かに“変化の匂い”がある。
人口が減ると聞くと、どこか寂しいと感じてしまう。
「賑わいが失われていくんじゃないか」
そんな不安がちらりと顔を出す。
でも、街の魅力って人数だけで測れるものじゃない。
むしろ人が少し減ることで、静かさの価値が際立ってくる場合もある。
静けさは、贅沢だ。
ひとの多い街では買えない。
混雑しない道路、話し声がしっかり聞こえる店、家族の笑い声が道に流れる住宅街。
こういう光景が、中央市では“平日”に手に入る。
人口減少に、嘆く必要はない。
嘆くより先に味わえるものがある。
その余裕が、きっと中央市にはある。
🍇🚃 大月市に住みながら、なぜ惹かれるのか?
自分が大月市で暮らしていると、
「山」「峠」「鉄道」「トンネル」
こんな感じの景色が日常になる。
どこか“登ってる途中”の生活感がある。
ところが中央市を想像すると、
ちょっと平らになる。
背筋を伸ばし忘れても許されそうな土地柄。
足元が柔らかい気がする。
大月では見上げる景色が多い。
中央市では見渡す景色が多い。
同じ山梨でも、視線の使い方がぜんぜん違う。
大月は、旅の入口。
中央市は、暮らす場所。
観光より生活。
派手さより余白。
速さより味わい。
この違いに惹かれているんだと思う。
🌱💡 “ここに住む未来”が、なんとなく想像できる
もし生活のペースを変えたくなったら──
中央市を選ぶ可能性だってある。
🍑 果樹園の匂いを感じながら買い物して
🍇 畑の横をゆっくり車で抜けて
🏠 日常が風景と混ざる家に帰る
そんな暮らし。
大月で育った自分でも、
「こういう生活も悪くない」と想像できる。
むしろ惹かれてしまう。
人生を急がせない土地。
余白を残してくれる街。
その余白に、未来を描ける。
それが中央市の魅力だ。
🌾🔚 気づいたら心に残っていた街
中央市について調べたのは、ほんの思いつき。
たった500人の人口変化から始まった興味。
でも、数字の奥に“生活の匂い”があった。
懐かしさがあり、
寂しさもあり、
それ以上に希望が見える。
こういう街に、いつか住むかもしれない。
いや、住まなくても、気にかけていたい。
🍑🌱
静けさを味わえる街として、心に残った。